2005.2.10
@ 大宮 アコースティックハウス「JAM」
安全バンドのドラマーの伊藤純一郎(ジュンペイ)は、このところずっとJAZZに傾倒し、セッション・メンバーを率いて、大宮のライヴハウス「Jam」に準レギュラー出演していたのだが、PANTAもまた、西荻窪「アケタ」に出演し、錚々たるジャズメンをバックにスタンダード・ナンバーを歌う、という試みにかねてから挑んでいた。
たまたま管理人の私も、ジャズ・ヴォーカル、スタンダード・ナンバーには大好きなものがたくさんあり、とりわけ好きな一曲「酒とバラの日々」を、酒の飲めないPANTAに歌ってもらうという洒落を思いつきPANTAに提案、面白がってくれて、じゃぁジュンペイが次にやる時に、ということでこの日の企画となった。
もちろんその1曲ではもったいないので、ちょうど2月5日に誕生日を迎え、PANTA55歳での初ライヴになることにちなみ、PANTA憧れのナット・キング・コールのレパートリーから「Too Young 」を選曲したり(「夢見るころを過ぎても」も候補にあったのだが、お祝いに?ジュンペイ氏が歌ってしまいました/笑)、色々と工夫をこらしたこの企画、まずはPANTAの「ずっとラスベガスでショウをやってたんだけど、今日のために帰ってきました」というMCで爆笑スタート。
では、その後の模様は、安全バンドSESSIONも交え、スライド・ショーで。
実はアンコールでは、「Route66」の前に「さようなら世界夫人よ」も演奏されたのだが、せっかくのジャズのセッションということで、ボサ・ノヴァversionを提案したところ、これがなかなかよかった!(★)
スタジオ盤ではフルートが奏でていたテーマとも言えるメロディが、ボサ・ノヴァ調のサウンドの中でピアノで弾かれると、まるで宝石のようにきらめいて、アレンジに合わせてふっと力を抜いたPANTAのヴォーカルと共に、あの曲の新たな魅力を認識させられた。
ところで「頭脳囃子」という呼称があるけど、この日は「安全警察」。今回はそれはJAZZを通してという形をとったが、実は76年に、NHKの公開録音で安全バンドをバックにPANTA が「やけっぱちのルンバ」を歌ったことがあり、その録音も残っていたりする。
それにしても、当日のPANTAのエンターテイナーぶりはみごとで、準備の時間がなかったゆえの混乱も吹き飛ばし、会場は爆笑トークにわき続け、そのパフォーマーとしての幅の広さには改めて恐れ入りました。
なおナット・キング・コールをもじった Not Panta Coleというネーミング、本家は「Nat」なんだけど、いやそれは「Not」にしよう、というPANTAの意向でスペルを変えています。どこかに「反」の意が入ってると落ち着くようですが(笑)、しかしふだんのPANTAは圧倒的にポジティヴなパワー全開の人です。
「またやって!」という声も「またやろう!」という声も多々あるので、Not Panta Cole Showは、いつかまた公演の日を迎えることと思われます。
・・・最後に、もちろん、ジュンペイ氏、あなたのそのバンマスとしての力量とお人柄があればこそ形になった、この日の企画でした。お疲れ様でした!
(★)あえてソロの曲は外した「頭脳警察 in Bossa」なんて企画も出ていたりします。